Dandelion café 薄井 悟さん
取手駅の東口からまっすぐ3分ほど、坂を登っていくとダンデライオン・カフェが見えてくる。外にはピンク色のスクーター。
ランチとバータイムの休憩時間、息子さんと晃子(あきこ)さんが「こんにちは」と迎えてくれて、奥から悟さんが出てくる。
「俺はずっと飲み屋をやろうと思ってて、昼夜働いてたんですよ。輸入雑貨の問屋で一緒だったのが彼女で。夜はバーで働いてて。それしかできないかなって、消去法で。自分で店はじめるときに結婚して。」
ゆっくりと考えながら話をしてくれる店主の悟さんは、照れ笑いが印象的。お店は15年目を迎えるそう。最初は夜のバーからはじまった。
「当時は若かったから。音楽かけて酒だしとけばいいかなって。まあ、現実を思い知るようなこともあったよね。雑貨並べたり、ランチはじめたり、地下のイベントも増えてきて。なに屋でもいいの。カフェだとか、バーだとか、ライブハウスだとか。なんでもいいの。くる人が決めてくれればいいっていうか。ほぼ同じ顔。だいたいいつ来ても同じ。みんなで一緒に年とってる感じ。」
カウンターと2人掛けのテーブル席、4人掛けのソファが並ぶ店内。はじめて1人で来たらどう振る舞えばいいか迷うかもしれない。
「がんばる。なんだろう。友達とくれば話していればいいから楽でしょ。でも1人できて、全然知らない人と話してたり。責任とは言わないけど、たのしみたいならその人もがんばるしかない。俺もがんばるけど。」
最近は周囲にある他の店舗と協力して、イベントなどもはじめている。
「もうちょっと取手よくなってもいいかなって。微力ながら、最近思うようになったんだよね。順番回ってきちゃったのかなって。でもけっこう大変で、胃が痛い。でも中年がわざわざ、くだらないことをやって楽しんでれば、やりたいって思える人も増えるかなって。俺もはじめてみたら、そういう話をする相手ができてよかったんだよね。若い人がやってるといい意味で悔しい。」
「誰かにバーやってもらって、毎日カウンターの端っこで飲んでたいね。あのベロベロのおっさん誰って言われるような。変わらない方がいいよ。でもなんか好き、みたいなのがいい。取手もそうあってほしいかな。あんまり、張り切りすぎないのがね。」
悟さんの話を、晃子さんがずっと笑顔で聞いている。2人の雰囲気が心地よくて、ずいぶん長居をしてしまった。ちょっと慌ててしまいそうなとき、また来たいな。そう思う場所だ。
ランチ:11:30〜15:00(L.O.14:30)水木祝休
バータイム:19:30〜25:00 日祝休
住所:茨城県取手市取手3-6-39
電話番号:0297-73-7950
facebookページ:https://www.facebook.com/Dandelion-Cafe-405661092875161/
(編集:中嶋希実)