郊外のDIY①

取手アート不動産の奥村です。
3年前からこの事業を立ち上げて、アーティストからアイディアプランを募集したり、空き家のリノベーションや紹介、草刈り、ちょっとしたDIY、これからの郊外を考える座談会等、「郊外」にひろがる家の使い方を色々と試してきた。ありそうでなかったのが、スタッフが事業を体現すること。発掘した物件に住んじゃうのって、なんか違う気がしていたからだ。

これまで空き家をたくさん見てきて、自分の手の届く範囲(費用/DIYするにあたって物件の状態)のものがなかなか見つからなかったけど、ちょっと気になる物件に出会えた。

きっかけは空き家活用相談会に来てくれた若いご夫婦と出会ったのが初まりだ。
お父さまがジャズ喫茶をやっている建物があるんだけど、空いているフロアを何かに活用出来ないか?という相談。
長年取手に関わっているけど「ジャズ喫茶」があるってこと自体が初耳で、なんとなく良さそうな面白そうな予感がした。
早速建物を見せてもらいに後日伺った。

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外観の様子

外見はちょっとだけレトロな白い建物。1階が元お蕎麦屋さんで今は営業していない。外壁の茶色いタイルがいい感じのレトロさを醸し出していた。
2階に上がると、タイムスリップしたような空間が拡がっている!
Barかクラブ(?)ような場所はジャズ喫茶として今は営業していた。
暗い店内で一際目立った存在感を放っているのが、何台ものアンプスピーカー。聞くところによると、全てオーナーの手づくりとのこと。
音を聴くことに自然と集中させる、力強い印象が残った。

そして3階にあるのが住居部分。
間取りは3LDKくらいで木造+砂壁、畳、和式トイレ、、とかなり古い。一部屋だけ壁が一面緑色のところがあり、どうしてこうなったのか全く理解ができなかった。
数が多い間取りは、繋げてワンフロアで使えば良し、砂壁は白く塗って畳はフローリングにすれば、かなりいい感じの場所になるんじゃないか、
とすぐにイメージが湧いてきた。

一部屋だけ緑色

洋室もあり

背の低い外階段を上がるとさらに屋上があった。古くなった貯水槽や壊れたTVアンテナ、経年劣化で浮かんできてしまってるゴム製の床があって、実家の屋上と似たような雰囲気。ちょうど訪れたのが夕方だったせいか、いつも見ている取手の風景とは違った光景が屋上からは拡がっていた。目の前にはブルーベリー農園。
あとは妻にどう話して、建物のオーナーをどう説得するか、、、そこからは色んな人たちの協力があって、意外とスムーズに契約まで進んだ。

ノスタルジックな印象の設備たち

目の前ブルーベリー農園

というわけで、これから数回に渡って、この物件のDIYしていく様子をお伝えします。
アートプロジェクトで鍛えた(?)スキルが存分に活かされることでしょう。

あまり注目を浴びてこなかった郊外だけれど、意外と「郊外っていいじゃん」って思って住んでいます。
いろんな隙間があるからこそ郊外は自由で、まだまだ可能性を秘めているんじゃないでしょうか。

次回に乞うご期待!

(奥村圭二郎)